ヨガの万能選手と言えば「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」
こんなお悩みありませんか?
- 1日中じっとしていて体が凝り固まっている
- 肩こり、腰痛がある
- 足がだるい、浮腫む
- 短時間で大きく体全体をほぐしたい
「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」は「太陽礼拝」6番目のアーサナ(ポーズ)です。ヨガの代表的なアーサナで、太陽礼拝のメインと言っても過言ではないアーサナです。
一つ前の「ブジャンガアーサナ」は息を吸いながら、上体を起こすアーサナ(ポーズ)、いわゆる後屈でした。今回の「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」はそこからお尻を高く持ち上げます。頭が心臓より下になる、前屈と逆転の二つの要素があるアーサナ(ポーズ)です。
そんな「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」の魅力をお伝えします!
アド・ムカ・シュヴァナーサナの由来
- 日本語:下向きの犬のポーズ
- サンスクリット語:Adho Mukha Svanasana アド・ムカ・シュヴァナーサナ
Adho=下向き Mukha=顔 Svana=犬 asana=体位、ポーズ - 英語:Downward-Facing Dog(ダウンワード・フェイシング・ドッグ)
Downward=下の方へ Facing(face)=向く Dog=犬
略してDown Dog(ダウンドッグ)と呼ばれる事が多い
その名の通り、「わんちゃんが顔を下に、お尻を高く、気持ち良く伸びをしているような」アーサナ(ポーズ)です。
アド・ムカ・シュヴァナーサナの効果
縮こまった筋肉をまんべんなく伸ばす
ワンちゃんやネコちゃんのこんな姿を見たことありませんか?
そう、寝起きから起き上がる時の光景です。
無意識に縮こまった筋肉を伸ばしているのですね。見ているだけで気持ちが良さそうです。
人間の私達も朝起きたらまず、思いっきり伸びをします。運動不足の人や同じ姿勢、同じ動作が続く人も、疲れを解消するため、本能的に伸びをしたくなります。
アド・ムカ・シュヴァナーサナは腰から下、腰から上を積極的に伸ばしていきます。
肩周り、腰回り、背骨、もも裏(ハムストリング)脹脛をまんべんなくほぐせるのは、アド・ムカ・シュヴァナーサナの醍醐味です。
血の巡りを良くする
アド・ムカ・シュヴァナーサナは緩やかな逆転のポーズです。
逆転のポーズの定義は、頭の位置が心臓よりも下になることを言います。
1日1回「逆立ち」をすると、下に溜まっていた老廃物を手っ取り早く流す事ができます。
でも「逆立ち」というと難易度が高くないですか?そもそも出来ないし、怖いという方もいると思います。
アド・ムカ・シュヴァナーサナは両手両足で自分をしっかり支える緩やかな逆転ポーズです。
頭を心臓より下にしながら、ふくらはぎを刺激するので、体の中の滞った血液が勢いよく巡り出します。
浮腫みを取る
「血の巡りを良くする」からの続きにもなりますが、アド・ムカ・シュヴァナーサナは脹脛を刺激します。
脹脛を刺激すると言えば前屈ですが、アド・ムカ・シュヴァナーサナは前屈と逆転の二方向で浮腫みを取っていきます。
第二の心臓である脹脛を刺激する事、そして軽く逆転する事(頭を心臓より下にする)。この二刀流で、手早く一気に浮腫みを取ります。
アド・ムカ・シュヴァナーサナのやり方
四つん這いからお尻をかかとに乗せます
太陽礼拝の流れで言うと、一つ前のアーサナ「ブジャンガアーサナ」から一旦膝をついて四つん這いを通り、つま先を立て、お尻をかかとに乗せます。
ブジャンガアーサナって何?と思われた方は、こちらをどうぞ!
膝をマットから少し持ち上げる
お腹をふっと引っ込めて力を入れ、膝を1㎝ほど持ち上げます。
まずは手とお尻とかかとで横から見た時に、鋭角な二等辺三角形を作りましょう。
徐々に足に重心を持って行く
膝をマットから少し離したところから、徐々に足の方へ重心をもっていきます。
腿の裏(ハムストリング)、脹脛、アキレス腱が硬いうちは、なかなか踵がマットにつきません。
ついたとしても背中が丸まってしまいます。
この時優先すべきはやはり背骨。背中が真っすぐ伸びている事。
これが崩れるくらいなら、膝はどれだけ曲げてもかまいません。
お尻が頂点の正三角形を作る
最初は腰が丸くなったり、背骨が伸びなかったり・・・
横から見て「正三角形」を作るのはなかなか難しいです。
まずはそれに近づける練習をしましょう。これらの練習の中でも十分アド・ムカ・シュヴァナーサナの効果は得られますし、気持ち良さに変わりはありません。
両かかとをつけるのが難しくても、片足ずつだと意外と出来ます。かかとをマットにつける感覚、それによって腿裏、脹脛が伸びる気持ち良さをまず味わいましょう。
まるで自転車のペダルを踏むように、片方の膝を曲げて、もう片方の踵をマットにつけるという練習を、交互に行いましょう。
あなたの正三角形を見直してみましょう
あなたの「正三角形」はどんな形になりましたか?
お尻をツーンと天井の方へ引き上げて、そのエネルギーをお尻から踵へと根付かせていきましょう。
頭はガクンと下がるのではなく、両腕の中に収めましょう。アド・ムカ・シュヴァナーサナは肩入れのストレッチではありません。背面と腹部をサンドイッチして、丸まるのでもなく、反らせるのでもない所で、引き上げましょう。
肩甲骨はお尻の方へ下げて、肩はすくめず、耳との距離、空間を保ちましょう。
因みに↓これは一見お尻が突きあがって、きれいな三角形に見えますが、背中がまるくなるのと同じくらい反ってしまうのは良くないです。それは比較的柔軟性がある人が陥るNG行為です。
呼吸を巡らせましょう
あなたなりの「正三角形」が作れましたか?
あとは呼吸を「正三角形」の中で巡らせていきましょう。
呼吸がうまく流れた時、マットに触っている手のひらから背骨をつたってお尻まで突き抜けていきます。その呼吸の流れは突き抜けっぱなしではなく、次に踵を通してマットに根付いていきます。
それで終わりではありません。実際に目に見えて繋がっている訳ではありませんが、最後は踵と手がマットを伝って繋がっていきます。
吸って、吐いてが1呼吸としたら、5呼吸続けて下さい。
呼吸の巡り、繋がりを身体を通して感じましょう。
視点(ドリスティ)
頭を両腕の間に収めた時に、自然な目線になるところ、自分の鼻を見つめます。
眼が疲れている人は、眼を閉じてしまうのもお勧めです。
眼を閉じてしまった方がより落ち着いて、呼吸に集中でき、自分の体の巡りを感じれる場合もあります。
その時の自分の身体の声を聞いてみて下さい。
時間がない時、一つしか出来ないとしたら迷わずアド・ムカ・シュヴァナーサナ
「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」いかがでしたか?
「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」はヨガの準備運動とも言われる「太陽礼拝」の中の一つのアーサナです。太陽礼拝についてはこちらに詳しく書いています。
太陽礼拝は1日1回おすすめしたいヨガの一連の流れです。
でももし時間がなくて、「どれか一つしか出来ない」と言われたら
迷わず「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」をおすすめします。
それは体を大きくダイナミックに使い、上半身、下半身がまんべんなくほぐれるからです。
前屈と緩やかな後屈がセットになったこのアーサナは一石二鳥のお得感があります。
今回紹介した「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」、ぜひやってみて下さい!
以上、自宅で出来るヨガ「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」手っ取り早く全体がほぐれる万能選手です!でした。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます ᗢao╯